二人で暮らし始めて最初の電気代の請求を見たとき、「一人暮らしのころと比べて高いのか安いのか」と迷うことがあります。光熱費は季節や住まいで大きく変わるため、一か月分の請求だけで判断しにくい支出です。
この記事では、総務省の「家計調査」で二人世帯の光熱・水道費を確認したうえで、統計をどう読むか、二人の光熱費予算をどう決めるか、折半以外の分け方を順に整理します。
二人暮らしの光熱費の目安
総務省統計局の家計調査(家計収支編)2025年 世帯人員別の結果から、世帯人員が2人の世帯の1か月あたりの「光熱・水道」を抜き出しました。
| 項目(月平均) | 2人世帯(二人以上の世帯) | 2人世帯(勤労者・世帯主60歳未満) |
|---|---|---|
| 光熱・水道 計 | 22,691円 | 20,434円 |
| 電気代 | 12,144円 | 10,811円 |
| ガス代 | 4,663円 | 4,750円 |
| 他の光熱 | 1,662円 | 1,130円 |
| 上下水道料 | 4,221円 | 3,744円 |
| 世帯主の平均年齢 | 68.5歳 | 48.6歳 |
出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年 第3-1表 世帯人員別」。「他の光熱」は灯油などです。
働いている世代に近いのは右の列で、月2万円前後が一つの参考値になります。
統計を見るときの注意点
この数字を、そのまま「同棲カップルの平均」として使うことはできません。
- 同棲カップルだけの集計ではない:2人世帯には夫婦のみの世帯や親子の世帯なども含まれます。
- 年齢が高めの世帯が中心:左の列の世帯主の平均年齢は68.5歳です。日中の在宅時間が長い世帯も含まれます。
- 住まいの条件が違う:戸建てか集合住宅か、オール電化か、寒冷地か、で光熱費は変わります。
- 年平均の数字:冷暖房を使う月と使わない月がならされています。
統計は「自分たちの光熱費が極端に外れていないか」を見るための目安と考え、予算は二人の請求額から作りましょう。
光熱費の内訳
電気
二人暮らしの光熱費のうち、もっとも金額が大きくなりやすいのが電気代です。上の表でも、光熱・水道の半分ほどを占めています。エアコン、冷蔵庫、照明、洗濯乾燥機、在宅勤務のPCなど、使い方の差が出やすい項目でもあります。料金は使用量だけでなく、契約しているプランや燃料費調整額によっても変わります。
ガス
給湯や調理、ガス暖房に使います。都市ガスかプロパンガス(LPガス)かで料金体系が違うため、同じ使い方でも請求額に差が出ることがあります。オール電化の住まいならガス代はかからず、その分が電気代に含まれます。
水道
上下水道料は自治体ごとに料金が違い、2か月に1回まとめて請求される地域もあります。毎月の家計に入れるときは、2か月分を2で割って月額にすると比べやすくなります。
季節による違い
光熱費は一年の中で大きく動きます。冷房を使う夏、暖房や給湯の使用が増える冬は、電気代やガス代が上がりやすくなります。春や秋の請求だけを見て予算を決めると、季節が変わったときに足りなくなることがあります。
前の住まいの請求や、契約している電力会社・ガス会社のWeb明細で過去の使用量を確認できる場合は、12か月分を並べて月平均を出すと実態に近づきます。新居で過去のデータがない場合は、最初の1年は余裕を持った予算にし、夏と冬を一度ずつ経験してから見直すのが現実的です。
一人暮らし2人分より安くなる?
同じ家計調査の2025年の単身世帯(年齢34歳以下)の光熱・水道は月8,291円でした。単純に2倍すると約1万6,600円で、上の勤労者2人世帯の20,434円より低くなります。
ただし、この比較だけで「二人暮らしの方が高い」とは言えません。年齢、住まいの広さ、在宅時間、地域などの条件がそろっていないからです。この単身世帯(34歳以下)の集計世帯数は67世帯と少ないことにも注意が必要です。
二人暮らしで変わりやすい点を整理すると、次のようになります。
| 変わる点 | 光熱費への影響の例 |
|---|---|
| 基本料金 | 二契約から一契約になると、基本料金は一つ分になる |
| 冷暖房 | 同じ部屋で過ごす時間が多ければ、まとめて使える |
| 部屋の広さ | 一人暮らしより広い部屋なら、冷暖房の負担が増えることも |
| 生活時間 | 起床・帰宅時刻がずれると、照明や冷暖房を使う時間が長くなる |
一人暮らしのころの二人の請求額を合計し、同棲後の請求と比べてみると、二人にとっての変化が分かります。
光熱費は折半でいい?
光熱費は家賃と並んで、折半にしやすい支出です。ただ、二人の生活時間が違うと「使っている量が違うのに半分ずつ?」という不満が生まれることがあります。
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いちばん分かりやすい方法です。在宅時間や生活リズムが近い二人なら、細かく分けるより手間が少なく済みます。仮に月2万2,000円なら、1万1,000円ずつです。
在宅時間が違う
片方が在宅勤務で日中もエアコンやPCを使う場合、その分の電気代が増えることがあります。増えた分の扱いは、在宅勤務の光熱費をどう分けるかで4つの方法を比べています。
生活時間が違う
夜勤やシフト勤務で、一方が昼間に寝て夜に起きている二人もいます。生活時間がずれると、照明や冷暖房を別々に使う時間が増えます。家事の分担とあわせた考え方は、夜勤・シフト制カップルの同棲で紹介しています。
収入差がある二人なら、光熱費だけでなく生活費全体を収入比で分ける方法もあります。仮に手取りがA25万円・B20万円で、光熱費が月2万2,000円なら、収入比ではAが約1万2,222円、Bが約9,778円です(説明用の試算例)。
使用量で厳密に分けるのは難しいため、「生活費全体の分け方」を一つ決めて光熱費もそこに含めると、毎月の計算が楽になります。
光熱費の予算の決め方
- 過去の請求を集める:一人暮らしのころの請求や、新居の最初の数か月の請求を確認します。
- 季節の幅を見込む:夏と冬に上がることを前提に、年間の合計から月平均を出します。
- 予算は少し高めに置く:月によって上下する支出なので、少ない月の差額は翌月以降の高い月に回します。
- 契約内容を一度だけ見直す:アンペア数や料金プランが二人の暮らしに合っているかを確認します。乗り換えは、手数料や契約条件も比べてから判断しましょう。
- 3か月ごとに実績と比べる:季節が変わるタイミングで予算を直します。
固定費全体を二人で見直す方法は二人で固定費を見直す会議にまとめています。同棲直後の家計の見直しは、同棲を始めてから3ヶ月以内にやるべきお金の見直しも参考になります。
家計簿ではどう分類する?
光熱費は「電気」「ガス」「水道」に分けて記録しておくと、どれが増えたかが分かります。二人の家計なら、さらに次の点を決めておくと迷いません。
- 引き落とし口座とカードの名義(どちらが払っているか)
- 共通費として扱うか(基本的には共通費になりやすい)
- 2か月ごとの水道料金を、請求月にまとめて入れるか、月割りにするか
Futari Noteでは、カテゴリ別に支出を記録し、パートナーと家計を共有できます。光熱費のように毎月発生する支出は固定費として登録しておくと、入力の手間を減らせます。
よくある質問
光熱費が月3万円を超えたら使いすぎ?
季節、住まい、地域、在宅時間によって変わるため、金額だけでは判断できません。同じ月の前年の請求や、季節の近い月と比べてみてください。急に増えた場合は、契約内容の変更や機器の使い方を確認しましょう。
光熱費の名義はどちらにする?
契約名義と、実際に費用を負担する人は分けて考えられます。引き落とし口座をどちらにするか決め、もう一人の負担分は月末に精算するなど、記録しやすい方法を選びましょう。
光熱費と通信費はまとめて管理してもいい?
二人が使い方を理解できていれば、まとめても問題ありません。ただ、増えた原因を探すときは分けて記録しておく方が便利です。
まとめ
- 家計調査2025年では、勤労者・世帯主60歳未満の2人世帯の光熱・水道は月20,434円
- ただし同棲カップルだけの数字ではない。予算は二人の請求額から作る
- 夏と冬に上がる前提で、年間の合計から月の予算を決める
- 折半で始め、在宅時間や生活時間の差が大きければ分け方を見直す
光熱費を含めた生活費全体の分担は、生活費の分担シミュレーターで折半と収入比を比べられます。共通費と個人費の分け方は同棲の生活費ルールの決め方、日用品の扱いは二人暮らしの日用品費で解説しています。