固定費は、毎月ほぼ同じ額が自動で引き落とされるため、一度見直すと効果が続く支出です。一方で、「乗り換えれば必ず安くなる」とは限りません。解約時の費用や、必要な保障・通信品質まで含めて比べないと、かえって損をすることもあります。
この記事では、二人の固定費を一覧にして、現在の請求額と変更後の条件を同じ期間の総額で比べる手順と、二人で見直すときの進め方を紹介します。
1. 固定費の一覧を作る
最初に、二人の固定費をすべて書き出します。最近の請求書、契約画面、口座やカードの明細を見ながら進めましょう。
| 分類 | 主な項目 | 書き出す内容 |
|---|---|---|
| 住まい | 家賃、管理費、駐車場 | 月額、更新時期と更新料 |
| 通信 | スマホ、自宅のインターネット | 月額、契約期間、端末の残りの支払い |
| サブスク | 動画、音楽、クラウド、アプリ | 月払いか年払いか、更新日、使っている人 |
| 保険 | 医療保険、生命保険、火災保険、車の保険 | 保険料、保障内容、更新日 |
| 公共料金 | 電気、ガス、水道 | 季節ごとの請求額、契約先とプラン |
| 車 | 駐車場、ローン | 月額、残りの支払い回数 |
| その他 | ジムなどの会費、定期購入 | 月額、解約の条件 |
年払いのサービスは、月額に換算して並べると比べやすくなります。
2. 共通・個人・重複に分ける
一覧ができたら、それぞれの固定費を3つに分けます。
| 分類 | 例 | 見直しの考え方 |
|---|---|---|
| 共通 | 家賃、光熱費、自宅のインターネット | 二人で話し合って見直す |
| 個人 | 個人のスマホ、個人の保険、趣味のサブスク | 本人が判断する。共有するかは二人で決める |
| 重複 | 二人とも加入している動画配信、二人分の自宅回線 | どちらか一方にまとめられるか確認する |
同棲を始めたばかりの二人は、一人暮らしのときの契約が重複していることがあります。まずはここから確認すると、生活への影響が少なく見直せます。個人の固定費をどこまで二人で話し合うかは、ふたりのお金、どこまで共有する?も参考にしてください。
3. 見直す順番を決める
すべてを一度に見直すのは大変です。次のような固定費から優先して確認します。
- 使っていないもの:最後に使った日を思い出せないサブスクや会費
- 重複しているもの:二人とも同じサービスに加入している
- 金額が大きいもの:通信費、保険料
- 更新時期が近いもの:更新や解約の時期を逃すと、次の期間まで変えられないことがある
4. 同じ期間の総額で比べる
月額だけで比べると、解約時の費用や手数料、端末の残りの支払いを見落とします。同じ期間(たとえば2年間)の総額で比べましょう。
次は説明用の仮定です。実在する料金プランではありません。
| 今の契約を続ける | 別のプランに変える | |
|---|---|---|
| 月額 | 6,000円 | 3,500円 |
| 2年間の月額の合計 | 144,000円 | 84,000円 |
| 変更時の手数料(仮定) | ― | 3,000円 |
| 端末の残りの支払い | 変更しても支払いは続く | 変更しても支払いは続く |
| 2年間の総額 | 144,000円 | 87,000円 |
この例では、2年間で57,000円の差になります。ただし、通信品質、必要なデータ量、家族割の条件、サポートの受け方なども比べたうえで判断してください。
5. 項目別の確認ポイント
通信費
スマホは、月額だけでなく、通信品質、必要なデータ量、端末の残りの支払い、解約時の費用を確認します。自宅のインターネットは、二人とも回線を契約したままになっていないか、在宅勤務に必要な速度が出るかも確認します。
サブスク
二人とも同じサービスに加入していないか、家族向けのプランがあるかを確認します。家族プランやアカウントの共有は、サービスごとに条件(同じ住所、家族であることなど)が違います。現在の契約先と変更先の公式案内を確認してください。
保険
保険は月額だけで解約を決めず、必要な保障や、解約した場合に同じ条件で入り直せるかを確認します。公的保険の内容を確認してから民間保険を検討する考え方は、金融庁の公的保険ポータルでも案内されています。同棲や結婚を機に受取人を確認する方法は、同棲・結婚時に保険を確認する手順で紹介しています。
電気・ガス
契約先や料金プランを変える場合は、季節ごとの使用量で比べます。一か月分の請求だけで判断すると、季節による差を見落とします。二人暮らしの光熱費の目安は二人暮らし・同棲の光熱費はいくら?で紹介しています。
車
駐車場や保険、ローンなど、車の固定費をまとめて確認します。二人での分け方は同棲中の車の費用分担で整理しています。
6. 二人で見直す会議の進め方
- 準備(各自):自分の固定費の一覧を作っておく
- 一覧を合わせる(10分):二人の一覧を並べ、共通・個人・重複に分ける
- 優先する項目を決める(10分):重複と使っていないものから、2〜3個に絞る
- 担当と期限を決める(10分):誰が、いつまでに、何を確認するか決める
その場で解約や乗り換えを決める必要はありません。会議では「何を確認するか」を決め、比べた結果を次回に持ち寄ります。
7. 決めたことを記録する
次のように「現状」「確認すること」「担当」「期限」を一行ずつ残します。
| 現状 | 確認すること | 担当 | 期限 |
|---|---|---|---|
| スマホの請求額 | 他のプランの2年間の総額と端末の残りの支払い | A | 次の更新前 |
| 動画サービスの年払い | 二人が実際に使うか、更新日 | B | 更新日の前 |
| 二人分の自宅回線 | 一方を解約できるか、解約時の費用 | A | 来月末 |
| 医療保険 | 保障内容と、公的保険で賄える部分 | B | 3か月以内 |
8. 変更した後に確認すること
- 翌月の請求額が、予定どおり変わっているか
- 解約したサービスの請求が止まっているか
- 年払いのサービスの更新日を、カレンダーに入れたか
金額が確定した変更だけを、翌月の予算に反映します。Futari Noteで毎月の支出を記録している場合は、変更前後の請求額を比べられます。削減できる金額は、契約や使い方によって違います。
よくある質問
固定費の見直しは、どのくらいの頻度ですればいいですか?
年に一度、時期を決めて見直す方法がおすすめです。同棲を始めたとき、結婚したとき、引っ越したときなど、生活が変わったタイミングも見直しの機会になります。
相手の個人の固定費まで見直してもいいですか?
個人の固定費をどう使うかは、基本的に本人が判断することです。二人の家計に影響する場合(共通費から払っている、生活費が足りないなど)は、相手を責めずに「一緒に確認したい」と提案してみてください。
乗り換えたほうが本当に安くなるか分かりません。
同じ期間の総額で比べ、手数料や解約時の費用、端末の残りの支払いも含めて計算してください。それでも判断できない場合は、急いで変えず、次の更新時期まで情報を集めるのも一つの方法です。
まとめ
- 二人の固定費を一覧にし、共通・個人・重複に分ける
- 使っていないもの、重複しているもの、金額が大きいものから見直す
- 月額ではなく、同じ期間の総額で比べる
- 保険は必要な保障と入り直せるかを確認してから判断する
- 会議では担当と期限を決め、変更後の請求額も確認する
同棲を始めて最初の見直しは同棲を始めてから3か月以内にやりたいお金の見直しで、毎月の振り返りはふたりの家計を月1回振り返る方法で紹介しています。