「二人暮らしで食費が月6万円。これって高い?」「自炊しているのに、なぜか食費が減らない」。同棲を始めると、こんな疑問が出てきます。食べる量が違うのに毎回折半していたり、外食を食費に含めるか決めていなかったりすると、金額以上に不公平感が残ることもあります。
食費の予算は、平均額に合わせるよりも、二人の支出の範囲と暮らし方を先にそろえることが大切です。この記事では公的統計の読み方を確認したうえで、共通の食費を決める手順を紹介します。
同棲カップルの食費はいくらが普通?
総務省統計局の2025年「家計調査(家計収支編)」年平均結果では、二人以上の世帯の「食料」は1世帯あたり月平均94,895円です。食料には食材だけでなく、調理食品、飲料、酒類、外食なども含まれます。同じ調査で、対象世帯の平均人数は2.87人、世帯主の平均年齢は60.7歳です。
この数字は二人だけの世帯の平均でも、20〜30代の同棲カップルの平均でもありません。子どもや高齢者を含む世帯も対象です。月6万円をこの94,895円と直接比べて「安い」と判断することはできません。統計は食費の範囲や物価を考えるための参考値とし、予算は自分たちの実績から決めましょう。
同調査の内訳では、二人以上の世帯の月平均は調理食品13,580円、外食16,563円でした。ここでも対象は同棲カップルに限られません。ただ、食材の買い物だけを数えると食費全体を見落とす、という点は参考になります。コンビニの昼食や週末の外食を含めるかどうかを最初に決めておくと、二人の数字を比べやすくなります。
「食費5万円」「食費6万円」を比べる前に
片方はスーパーで買った食材だけを数え、もう片方は外食や飲み物も数えている。これでは、同じ「食費6万円」でも中身が違います。まずは食材、外食、惣菜、嗜好品をそれぞれいくら使ったか、同じ期間で見てください。仕事中の昼食を個人費にする場合も、二人のルールとして明示しておきましょう。
月4万円・6万円・8万円では生活スタイルがどう違う?
以下は統計上の標準額ではなく、二人で予算を考えるための例です。住む地域、出勤日数、食べる量、食材の価格によって実現しやすさは変わります。30日で割ると月4万円は二人で1日約1,333円、月6万円は約2,000円、月8万円は約2,667円です。これには二人分の対象支出をすべて含める前提です。
| 月の食費の例 | 暮らし方の目安 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 4万円前後 | 自炊が多く、外食や惣菜も少ない場合など | 外食を含めた総額で比べているか |
| 6万円前後 | 自炊を中心に、惣菜や外食も使う場合など | 忙しい日の買い足しが予算に入っているか |
| 8万円以上 | 外食やデリバリーが多い場合など | 満足して使っている分と、見直したい分が分かるか |
4万円なら正しく、8万円なら使いすぎ、という意味ではありません。たとえば残業が多い月に外食を利用することで家事の負担が減るなら、その費用にも意味があります。反対に「自炊中心」のつもりで月末に買い足しが続くなら、少し余裕のある予算にした方が続きます。
同棲すると食費が高くなりやすい理由
小さな買い物が別々に発生することが一つの理由です。帰宅前に二人ともコンビニで飲み物を買う、冷蔵庫を確認せず同じ食材を二重に買う。どちらも一回の金額は小さくても、回数が増えると月の支出に表れます。
外食、惣菜、デリバリーも忙しい日に役立ちますが、食材費とは別に数えていると、実際の食費が見えにくくなります。お酒やお菓子、プロテインなど、一人だけが使うものが共通の買い物に混ざることもあります。大容量の食材を買って使い切れず、食品ロスになる場合もあるでしょう。
まずは一週間、何を減らすか決めずに「スーパー」「外食・惣菜」「飲み物・嗜好品」くらいの分け方で記録してみてください。繰り返している支出が見えると、我慢せず変えられるところを選びやすくなります。外食が多い場合は、二人の外食・デート代の見直し方も参考になります。
食べる量が違う場合も食費は折半すべき?
折半は簡単ですが、二人とも納得できるとは限りません。食べる量や好みが大きく違うなら、まず共通費と個人費の境界を決めます。
| 共通費にしやすいもの | 個人費にしやすいもの |
|---|---|
| 二人で食べる米・野菜・調味料 | 一人だけが飲む酒 |
| 二人の夕食の食材 | 自分用のプロテインや高価な嗜好品 |
| 二人で合意した外食 | 一人だけが注文したデリバリー |
これは例で、正解の線引きではありません。二人で楽しむお酒なら共通費でもよいですし、仕事中の昼食は各自負担にする方法もあります。レシートの全品目を毎回分けるのが面倒なら、「週末の共通の買い物は共同、個人の嗜好品は各自」で始めても十分です。
食べる量の差が気になる場合は、共通食費だけ負担割合を変える、よく食べる方が個人用の食材を追加で買う、といった方法もあります。相手の食べ方を評価するより、何を二人の支出にするかを相談してみてください。食の好みが違うときの分担方法では、嗜好品の扱いをもう少し詳しく紹介しています。
同棲カップルが食費予算を決める方法
1. まず1〜2か月の実績を集める
スーパーだけでなく、外食、惣菜、コンビニ、デリバリーも確認します。季節の行事や旅行が入った月は、通常月と分けて見てください。記録がなければ、次の1か月を「試しに測る期間」にします。
2. 自炊・外食・嗜好品に分ける
厳密な分類より、二人が「どこに使ったか」を理解できることを優先します。外食は食費として合算しつつ内訳を分ける、二人の記念日だけ娯楽費にするなど、続けやすいルールを選びましょう。
3. 実績から現実的な予算を置く
たとえば実績が月6万5千円なら、すぐに4万円へ下げる前に、減らしても困らない買い物があるか確認します。月6万円を試すなら、どの支出を5千円ほど減らすのか、具体的な候補を一つ選びます。目標額は二人の収入や貯金予定との兼ね合いでも変わります。
試算の例として、二人分の食費を月6万円とするなら、食材4万2千円、外食1万2千円、惣菜など6千円に分ける方法があります。これは平均や推奨額ではなく、予算を分けて考えるための例です。平日の昼食を各自負担にするなら、その金額は別に確保してください。実績を見て外食が多い二人なら、最初から外食の枠を広げ、食材費を現実に合わせます。
月の半ばで外食の枠を使い切ったときは、残りの予定を見て調整します。たまたま来客があったのか、忙しい日が続いたのかで、次月の直し方は変わります。食材の買い物を無理に減らして帳尻を合わせるより、「今月は外食が多かった」と分かる方が、次の予算づくりには役立ちます。
4. 共通費の範囲と負担方法を決める
共通費に入れる品目、負担割合、支払う人を決めます。完全折半以外にも、収入に応じて負担を分ける方法があります。同棲の生活費を共通財布と折半で比べる記事を参考に、食費だけでなく家賃などを含めた全体のバランスを見てください。
5. 月に1回だけ見直す
予算との差だけでなく、「自炊が負担になっていないか」「外食に満足できたか」も確認します。一度決めた予算を守り続けるより、勤務形態や物価の変化に合わせて直す方が現実的です。
食費を節約するなら我慢より見える化
安い食材だけを選び続けるより、買ったのに使わなかった食材や、何となく重なった買い物を探す方が始めやすいことがあります。二人で買い物に行く前に冷蔵庫を見て、週に使い切りたいものを一つ共有するだけでも、重複購入を避けられます。
外食が楽しみなら、回数を一律に減らす必要はありません。「平日の予定外の外食を見直し、週末は楽しむ」のように、残したい支出を二人で選びます。予算超過を相手のせいにするためではなく、暮らしを楽にするために記録を使いましょう。
食費が上がった月は、買い物回数だけでなく、出張や勤務時間、二人で食べた回数も一緒に思い出してみてください。家で食べる日が増えれば、スーパー代が上がっても外食代が下がることがあります。片方の支出だけを見て「高くなった」と判断しないために、同じ範囲の合計を前月と比べます。
二人の食費を一緒に管理する方法
食費を共有するときに片方だけが記録係になると、もう片方の買い物を後から聞く手間が増えます。Futari Noteでは、パートナーと共有する家計簿にそれぞれが支出を入力し、カテゴリごとの支出を確認できます。まずは二人で買った食材と外食だけを記録する、という小さな始め方でも構いません。
家計簿が長続きしないなら、カップルの家計簿が続かない7つの理由で入力の手間を減らす方法を紹介しています。個人の飲み物や趣味まで共有するか迷う場合は、同棲のお小遣いと自由費の決め方も確認してみてください。
食費に「普通の正解」はありません。統計の対象を確かめ、自分たちの支出を同じ基準で見て、無理なく続く金額を決めていきましょう。