初期費用を払った後、手元のお金がほとんど残らない状態で同棲を始める二人もいます。貯金が少ないこと自体は、同棲をあきらめる理由にはなりません。ただし、入居直後は家賃や光熱費の支払いが始まり、日用品の購入も重なるため、どの支払いがいつ来るかを把握していないと、給料日前に足りなくなることがあります。
この記事では、手元資金が少ない二人が、最初の3か月で支払いの見通しを立て、少しずつ予備費を作るための手順を紹介します。支出の項目ごとの見直し方は、同棲を始めてから3か月以内にやるお金の見直しで扱っています。
入居前に確認したい「入居後に必要なお金」
初期費用の見積もりには入っていなくても、入居後すぐに必要になるお金があります。
| 支出 | 確認すること |
|---|---|
| 旧居の家賃 | 解約の予告期間によっては、新居と旧居の家賃が重なる月がある |
| 旧居の退去費用 | 原状回復費やクリーニング代は退去後に請求されることがある |
| 新居の翌月分の家賃 | 前家賃を払った後、次の引き落とし日を確認する |
| 光熱費・通信費 | 開始の手続きと、初回の請求時期 |
| 日用品・食材 | 調味料や掃除用品など、最初はまとめて買うものが多い |
| 通勤費 | 定期券の買い直しや、勤務先への届出と支給時期 |
旧居の敷金が戻ってくる場合も、時期と金額は退去後まで分からないことが多いため、戻ってくる前提で予算を組まないほうが安心です。初期費用の内訳は同棲の引っ越し初期費用で確認できます。
1か月目:支払日カレンダーを作る
手元資金が少ないときは、毎月の合計額よりも、給料日と支払日の順番が重要です。給料日の前に大きな引き落としがあると、合計では足りていても一時的に残高が不足します。
次は説明用の仮定です。Aの給料日が25日、Bが10日の二人の例です。
| 日付 | 入金・支払い | 担当 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 10日 | Bの給料 | B | +200,000円 |
| 15日 | 通信費の引き落とし | A・B | −10,000円 |
| 25日 | Aの給料 | A | +250,000円 |
| 26日 | クレジットカードの引き落とし | 各自 | 各自の明細による |
| 27日 | 家賃の引き落とし | A(契約者) | −115,000円 |
| 月末 | 光熱費・生活費の精算 | A・B | 精算額による |
このように並べると、「Bは10日に給料が入るが、家賃の引き落としはAの口座から27日」「カードの引き落としが家賃の前日にある」といった点が見えます。家賃を払う側の口座に、引き落とし日までに相手の負担分が入るよう、入金日を決めておくことが大切です。
カードで払った日用品や家具の請求が、翌月以降にまとめて来ることもあります。カードの利用明細を見て、翌月の引き落とし額を先に確認しておきましょう。
給料日までに足りなくなりそうなとき
支払いが足りない見込みに気づいたら、早めに次の順で対応します。
- 後にできる購入を止める:家具やインテリア用品など、入居日に必要ないものの購入を延期する
- 二人の間で一時的に立て替える:余裕がある方が立て替え、金額と返す時期を記録する
- 支払先に相談する:公共料金や家賃の支払いが難しい場合は、期日前に契約先へ相談する
- 公的な相談窓口を使う:生活費が続かない状態が見込まれる場合は、住んでいる自治体の生活相談の窓口に相談する
カードのリボ払いや新たな借入れを「一時しのぎ」として安易に使うのは避けましょう。手数料や利息がかかり、翌月以降の支払いがさらに苦しくなることがあります。
2か月目:実績で予算を直す
1か月目の支出を、家賃、光熱費、食費、日用品、交通費などに分けて合計します。最初の月は日用品の買いそろえや引っ越し後の外食などで、支出が多くなりがちです。一度だけの支出と毎月続く支出を分けて、翌月の予算を立てます。
| 区分 | 例 | 翌月の予算への反映 |
|---|---|---|
| 一度だけの支出 | 調味料のまとめ買い、収納用品、旧居の退去費用 | 翌月の予算には入れない |
| 毎月続く支出 | 家賃、光熱費、食材、通信費 | 実績をもとに予算を決める |
| 予想より多かった支出 | 外食、デリバリー、日用品 | 原因を話し合い、上限を決める |
二人の共通費と個人の支出が混ざると、何にいくら使ったかが分からなくなります。Futari Noteで二人の共通費を記録する場合は、「共通費に入れるのはどこまでか」を先に決めておくと、月ごとに比べやすくなります。
食費の予算の決め方は同棲・二人暮らしの食費平均はいくら?で、固定費の見直し方は二人で固定費を見直す会議で紹介しています。
3か月目:予備費を作り始める
翌月以降の生活費と、近いうちに必要な支払いを確保したうえで、残る額から予備費を貯め始めます。最初から大きな金額を設定する必要はありません。
- 最初の目標を決める:たとえば「家賃1か月分」など、達成しやすい額から始める
- 給料日に先に分ける:残ったら貯めるのではなく、給料が入った日に予備費の口座へ移す
- 使うときのルールを決める:急な病気、家電の故障など、予備費を使ってよい場面を二人で決めておく
予備費が貯まったら、次は結婚や引っ越しなど目的のある貯蓄に進みます。目的別の分け方は二人の貯蓄を目的別に分ける方法で紹介しています。
二人の貯金額に差がある場合
一方には貯金があり、もう一方にはほとんどない、という二人もいます。その場合、次のような調整の方法があります。
- 初期費用は貯金がある方が多めに払い、毎月の生活費は手取り比で分ける
- 貯金がある方が立て替え、少ない方は毎月少しずつ返す(金額と返済予定を記録する)
- 最初の数か月だけ、貯金が少ない方の負担額を下げ、予備費ができたら元に戻す
どの方法でも、一方が我慢し続ける形にならないよう、期間と金額を決めて記録することが大切です。お金の貸し借りの記録は、関係が続いても解消しても、後で確認するときの助けになります。
避けたいこと
- 無理な節約で体調を崩す:引っ越し直後は疲れやすい時期です。食費を極端に削るより、まず固定費と大きな買い物を見直します。
- 借入れで家具をそろえる:入居日に必要なもの以外は、予備費ができてから買っても間に合います。
- 一人で抱え込む:残高が足りないことを相手に言い出しにくくても、早めに共有したほうが選べる対処が増えます。
よくある質問
貯金がほとんどなくても同棲を始めて大丈夫ですか?
初期費用を払えて、入居後の生活費を毎月の手取りで払える見通しがあれば、始めることはできます。ただし、急な出費に対応できるよう、入居後の数か月で予備費を作ることを優先してください。初期費用を払うと手元にほとんど残らない場合は、入居時期を遅らせて貯めることも選択肢です。
予備費はいくらあれば安心ですか?
二人の生活費や働き方によって変わるため、一律の金額はありません。まずは家賃1か月分など、達成しやすい額を最初の目標にし、その後は生活費の数か月分を目安に増やしていく方法があります。
生活費が足りない月は、どちらが補えばいいですか?
決まりはありません。余裕がある方が立て替え、翌月以降に精算する方法があります。足りない月が続く場合は、予算そのものを見直す必要があります。
まとめ
- 入居後すぐに必要なお金(旧居の家賃、退去費用、光熱費など)も見込んでおく
- 合計額だけでなく、給料日と支払日の順番をカレンダーで確認する
- 足りないときは、購入の延期、二人の間での立替、支払先への相談の順に対応する
- 2か月目に実績で予算を直し、3か月目から少額でも予備費を作る
- 二人の貯金額に差がある場合は、期間と金額を決めて調整し、記録する
毎月の生活費の分担は、生活費の分担シミュレーターで試算できます。