副業を始めて収入が増えると、「その分を生活費に入れるべきか」「自分の努力で得たお金だから自由に使いたい」と、二人の考えが分かれることがあります。また、副業の収入は月によって大きく変わることも多く、増えた月の額をそのまま家計に組み込むと、減った月に困ります。
この記事では、副業の収入を二人の家計にどう反映するかを、家計に入れられる額の出し方と4つの分担パターンで整理します。
副業の「売上」と「使える額」を分ける
副業の売上は、そのまま自由に使える手取りではありません。経費や、後から払う税金・保険料のための備えを引いた額で考えます。
家計に入れられる額 = 売上 − 必要経費 − 税金・保険料への備え
次は説明用の仮定です。税金への備えの額は、所得や働き方によって変わるため、一律の割合で決められるものではありません。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 副業の売上 | 50,000円 |
| 必要経費(材料費、通信費など) | 10,000円 |
| 税金・保険料への備え(仮定) | 10,000円 |
| 家計に入れられる額 | 30,000円 |
税金への備えを別の口座などに分けておくと、確定申告や住民税の支払いの時期に慌てずに済みます。備えの額が分からない場合は、税務署や税理士に相談してください。
確定申告の条件は個別に確認する
「副業が20万円以下なら全員が確定申告不要」という説明は正確ではありません。国税庁の給与所得者で確定申告が必要な人では、給与の受け取り方や年末調整の有無、副業が給与か給与以外の所得かなどで条件が分かれています。
所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。自分の働き方と所得区分に合わせて、国税庁と住んでいる自治体の案内を確認してください。
生活費への反映は4つのパターンがある
家計に入れられる額が分かったら、二人の生活費にどう反映するかを決めます。
| パターン | 内容 | 向いている二人 |
|---|---|---|
| ①全額を個人で管理 | 副業の収入は本人のお金。生活費の分担は本業の手取りで決める | 副業が趣味の延長で、収入が少ない・不安定 |
| ②一定額を共通費に入れる | 毎月決まった額(例:1万円)だけ共通費に追加する | 収入はある程度安定しているが、自由に使える分も残したい |
| ③数か月の平均で負担割合を見直す | 副業の収入も手取りに含め、3〜6か月ごとに負担割合を計算し直す | 副業の収入が本業に近い規模になってきた |
| ④増えた月だけ共通の貯蓄に入れる | 一定額を超えた月の分を、二人の貯蓄に入れる | 毎月の負担は変えず、二人の目標に貢献したい |
どれが正しいということはありません。副業の収入の大きさと安定性、副業を始めた目的によって選びます。
③の計算例
Aの本業の手取りが25万円、Bが20万円で、Bの副業の家計に入れられる額が3か月平均で3万円になったとします。共通生活費18万円を手取り比で分ける場合です。
| Aの負担 | Bの負担 | |
|---|---|---|
| 本業の手取りだけで計算(25:20) | 10万円 | 8万円 |
| 副業を含めて計算(25:23) | 93,750円 | 86,250円 |
副業の収入を含めると、Bの負担は6,250円増えます。副業の収入が減ったら、次の見直しで元に戻します。
収入が安定しない副業の扱い
副業の収入が月によって大きく変わる場合は、次のような扱い方があります。
- 毎月の生活費には組み込まない:生活費は本業の手取りで払える範囲で決め、副業の収入は貯蓄や二人の楽しみに使う
- 少なかった月を基準にする:過去数か月で一番少なかった月の額を、家計に入れる額の上限にする
- 数か月の平均で決める:3〜6か月の平均で見直し、急に増えた月の額だけで決めない
収入が不安定な働き方の二人の家計は、フリーランスと会社員の二人暮らしでも紹介しています。
副業の時間と家事の分担
副業に使う時間が増えると、家事や二人の時間が減ることがあります。お金の分担だけでなく、時間の使い方も話し合っておきましょう。
- 副業の作業をする曜日や時間帯を共有する
- 副業で家事の時間が減る分を、どう調整するか決める(家事の担当を変える、副業の収入から家事の外注費を出す、など)
- 二人で過ごす時間を確保する
家事とお金の負担のバランスの考え方は、家事とお金はセットで考えるべき?で紹介しています。
自宅で副業をする場合の光熱費・通信費
自宅で副業をすると、電気代や通信費が増えることがあります。共通費で払っている光熱費のうち、副業で増えた分をどう扱うかも決めておくと、不公平感が生まれにくくなります。分け方は、在宅勤務の場合と同じように考えられます。在宅勤務の光熱費の分け方を参考にしてください。
なお、副業の経費として光熱費や通信費の一部を計上できるかどうか、どの割合で計上するかは税務上の判断になります。税務署や税理士に確認してください。
副業の収入が減ったとき
副業の収入は、取引先の都合や本業の忙しさで急に減ることもあります。②や③のパターンで生活費に組み込んでいる場合は、減ったときにどうするかも決めておきます。
- 共通費に入れる額を、翌月から元に戻す
- 次の見直しの時期まで、それまでの額を続ける
本業も含めた収入の変化への対応は、同棲中に彼氏・彼女の収入が減ったら?で整理しています。
よくある質問
副業の収入は、パートナーに伝えるべきですか?
二人の家計にどう反映するかを決めるためには、少なくとも「家計に入れられる額」の目安を共有しておくと話し合いやすくなります。売上や取引先の詳細まで共有するかは、二人で決めてください。
副業の収入を全部自分で使うのはずるいですか?
ずるいとは限りません。副業を始めた目的(自分の趣味の延長、将来の独立の準備など)や、副業に使う時間の家事への影響によって、二人が納得できる形は変わります。①のパターンで、家事の分担だけ見直す二人もいます。
税金はいくら残しておけばいいですか?
所得の種類や金額、本業の給与、各種控除によって変わるため、一律の割合では決められません。初めて確定申告をする場合などは、税務署の相談窓口や税理士に確認してください。
まとめ
- 副業の収入は「売上 − 必要経費 − 税金・保険料への備え」で、家計に入れられる額を出す
- 確定申告と住民税の申告の要否は、国税庁と自治体の案内で個別に確認する
- 生活費への反映は、全額個人・一定額を共通費・平均で負担割合を見直す・増えた月だけ貯蓄、の4パターンから選ぶ
- 収入が安定しない場合は、毎月の生活費に組み込まない、または少なかった月を基準にする
- 副業の時間と家事の分担もあわせて話し合う
Futari Noteで共通費に入れた額を記録すれば、月々の分担の変化を見返せます。ただし、税額の計算や確定申告の代行機能はありません。