同棲や結婚に向けて具体的にお金の話を進めている最中、あるいは一緒に住み始めてから、パートナーが気まずそうにこう切り出すことがあります。
「実は…毎月返済しているお金があって…」
それが「奨学金」なのか、「リボ払いやキャッシング(借金)」なのかで、問題の性質は大きく変わりますが、共通して言えるのは「ふたりの将来の貯金計画に多大な影響を与える」ということです。本記事では、相手の「見えない負債」が発覚した際に、別れを考える前に踏むべき具体的なステップを解説します。
1. 奨学金とリボ払い(消費者金融)を明確に分ける
まず大前提として、「奨学金」と「リボ払い・カードローン」を同じ「借金」として一括りにしてはいけません。
【奨学金の場合】 奨学金は「彼(彼女)自身が教育を受け、現在の職に就くために不可欠だった投資の残債」です。金利も非常に低く(あるいは無利子)、社会人として計画的に返済しているのであれば、道徳的に責められる性質のものではありません。(もちろん、言うのが遅かったことに対する不信感は話し合う必要があります)。
【リボ払い・キャッシングの場合】 一方で、身の丈に合わない買い物や遊びのためにクレジットカードのリボ払いや消費者金融を利用している場合、非常に警戒が必要です。これは単なる「お金がない状態」ではなく、「収支をコントロールできない(我慢ができない)という金銭感覚のバグ」だからです。
2. 絶対の鉄則:「ふたりの共通財布で他人の借金は返さない」
たとえどんなに相手を愛していても、絶対にやってはいけないルールがあります。それは「自分のお金(あるいはふたりの共通貯金)を使って、相手の借金や奨学金を肩代わりすること」です。
法的な夫婦になったとしても、結婚前に作った借金はその個人の「特有財産(個人的な負債)」として扱われます。「早く借金をなくして身軽になりたいから」「ふたりで協力した方が早いから」と、自分の大切に貯めたお金でポンと相手の借金を返してしまう人がいますが、これはパートナーシップにおいて非常に高い確率で「大きな負債感(私はこれだけしてあげたのに、という恨み)」に変わります。
また、相手の「自力でお金をコントロールする力(金銭的自立心)」を奪い、リボ払いなどの場合は高確率で再発を招きます。
正しい処理のアプローチ(隔離と自活)
「相手の負債は、相手の個人的なお小遣い(自由裁量の予算)から完全に自力で返済させる」 これが絶対のルールです。
生活費(家賃や食費など)の分担金額を決めた後、残った金額(お小遣い)から相手は毎月黙々と返済を続けます。もしそれで相手の自由なお金がゼロになるとしても、それは相手が過去の前借り(借金)のツケを払っているだけなので、あなたは決して同情して生活費の負担を不当に被ってはいけません。
3. 「ふたり会議」で総額と完済計画を明文化する
問題が発覚したその日のうちに、必ず「ふたり会議(お金の緊急ミーティング)」を開いてください。 怒るためではなく、「現状把握」と「解決へのロードマップ作り」をするためです。以下の3つを必ずメモに(ノート等で)書き出させます。
- 借金の「総額」(1円単位まで正確に)
- 現在の「金利(手数料)」
- 現在のペースで返すと、「何年何月に完済」するのか
特にリボ払いの場合は、金利が年15%と異常に高いため、「毎月1万円返しているつもりが、元本が5,000円しか減っていない」という恐ろしい状態に相手自身が気づいていないケースが多々あります。
この情報を共有した上で、完済までの年表を可視化します。 「あなたがこの借金を自分の小遣いから完済する3年後までは、結婚や結婚式、車の購入といった大きなライフイベントは保留にする」といったドライな防衛ラインを引くことが、お互いを守ることに繋がります。
お金の出入りを「ガラス張り」にする
負債があるパートナーに必要なのは、徹底した「収支の可視化」です。いま自分の稼ぎに対してどれだけ使いすぎているのかを毎日痛感する必要があります。
当サイトのアプリ「Futari Note」を使えば、日々の支出をふたりで共有・確認することができます。「今月はすでにこれだけ支出がある」という事実を日々共有することで、相手へのプレッシャーと自制心を育てるリハビリになります。
お金の失敗は誰にでもあります。重要なのは「隠さないシステム」を作り、過去の負債をふたりの未来の足枷にしない「賢い分離運用」を行うことです。
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